「妻と飛んだ特攻兵」

そのタイトルに衝撃を受け即購入。
食い入るように読みました。


妻と飛んだ特攻兵 8・19 満州、最後の特攻

豊田 正義 角川書店 2013-06-08
売り上げランキング : 19770
by ヨメレバ


「女が乗っているぞ!」
白いワンピース姿の女性をのせた機体を操縦していたのは
谷藤徹夫少尉、女性は朝子だった。
1945年8月19日。満州で20代の青年将校たちは、
ある者は許嫁の自決を見届け、ある者は恋人を連れ、
そして谷藤徹夫は妻を乗せ、空に消えていった。

「谷藤の生い立ち、妻・朝子との絆、夫婦揃っての特攻」を満州国の歴史を踏まえながら、淡々と描かれています。

衝撃的ではありますが、これは事実。
少しでも多くの方に知っていただきたいノンフィクションです。



ポイントを3つにまとめました。


1.夫婦で特攻に行った理由


これが一番気になるところですが、
敢えて本記事では紹介しません。

夫婦の絆が強かった。

それも理由の一つでしょう。

ただ当時の過酷な環境の中、そうせざるを得ない理由もあったのです。


この理由は是非、本文でご確認ください。



2.日本軍が特攻に固執した理由に驚愕した

これは、とある陸軍首脳の発言である

「いくらアメリカでも日本国民を根絶してしまうことはできない。攻めあぐねれば、アメリカもここらで和平使用と考える。そこまで持ち込めば取りも直さず、勝ちとはいかないまでも負けにはならない。国民すべてが特攻精神を発揮すれば、たとえ負けたとしても、日本は滅びない、そういうことだ」

この発言が信じられるだろうか。

狂気の極みとしか言いようがない。


改めて戦時中における軍部の異常さがわかる。


しかしこれは事実である。

事実である限り、現代に生きる我々は知っておくべきだろう。



3.日清戦争~終戦までの流れがわかりやすい


谷藤氏と妻が一緒に飛び立った理由を把握するには、
時代背景を知る必要があるため、日清戦争~終戦までの歴史が非常にわかりやすく書かれている。

特に満州国の歴史は詳細にわかる。


これだけでも本書を読む価値はある。



ポイントは以上。






目をそむけたくなる内容ではあるが、我々は過去に起こった事実を知るべきだ。

これから先も平和を望むのなら。







妻と飛んだ特攻兵 8・19 満州、最後の特攻

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