アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)

平木 典子 講談社 2012-02-17
売り上げランキング : 1923
by ヨメレバ
アサーション。この本で初めて知った言葉です。


「アサーション」とは
自分も相手も大切にする自己表現法のことです。
誰からも好かれるための方法ではなく、自分を知り、かつ自分を最大限に発揮するための方法です。自分をまず自分がほめ、好きになり、その自分をすきになってくれる人に出会うことが大切だと考えることがアサーティブな考え方の基本なのです。
下記3つの方法で相手とコミュニケーションをとることが大事です。
①自分の思いを確かめる(自分はどうしたいのか)
②事実や状況を共有する(相手と分かち合う必要がある事実はないか)
③提案は具体的に述べる(とりあえず、一つ提案してみよう) 


アサーションの例を

ドラえもんの登場人物で説明してみます(ほぼ引用ですが)


例えば
「隣の席に座っている子どもに、黙って机から消しゴムを取って使われ、そのまま返してもらえなかったらどうしますか?」

A.ジャイアン(攻撃的自己表現)の場合

「消しゴム返せ」
(自分の言い分を絶対に通したい)

→このタイプは他人が従ってくれないと、自己を維持できなくなります


B.のび太(非主張的自己表現)の場合

何も言わず黙っている
(自分の意見を言わない、言いそこなう、言っても相手に伝わりにくい)

→このタイプは自分の主張を相手に理解してもらえず惨めな気分になっていく


C.静香ちゃん(アサーション)の場合

「消しゴムすんだら返してね」「今度使いたいときは、『貸して』と言ってね」
(自分の考えを正直に伝える。その際、相手の状況も受け止める)

→このタイプは自分の考えを言えるのでストレスがたまらない
→相手も考えを言えるような雰囲気が作れるため、話し合いが成立する



どうでしょう?みなさんどのタイプに近いですか?

やはり理想はCの静香ちゃんですよね。


私はBに近いタイプです。
意見が言えなかったり、うまく伝えられなかったりで、悔しい思いをすることがあります。

Bタイプは、自分では主張せず、相手の意見に合わせることが相手の幸せにつながると考えがちです。
でも、それは違います。
相手によっては「この人は何を考えているかわからない→わからないから仲良くなれないな」と思われることもあります。(実際に言われたことがあります)

そんなのもったいないですよね。


まずは自分の気持ちに素直になって、自分の思いを相手に伝えてみましょう。
それと同じように相手の思いもきちんと聞きましょう。
その上で、意見を調整すればよいのです。


アサーションという自己表現方法が広まれば、
みんなが生きやすい世の中になるでしょうね。

この本おススメです。



以下、読書メモです。

ともすると日本人は、相手を大切にすることは、自分を二の次にして引き下がることと理解しがちです。逆に自分の主張を通したいときは、相手は言い分を聞き入れてくれるものと思い込み、言い張ることにもなります。多くの日本人は、どちらかの自己表現しかないと思い込んでいるのではないか。

個性や自分らしさを大切にすることは、利己的なことではなく、人々の生き方の基本です。

過ちや失敗に対して「許さない」というメッセージを与え続けられた子供は、常に委縮し、緊張するようになり、のびのびと行動したり、試行錯誤を試みたりしなくなります。また、そのような過度のストレス下では、かえってミスが誘発されやすくもなります。家族関係は、失敗する→責められる→失敗を恐れる→消極的になる→体験の積み重ねが減る→失敗する・・・・という悪循環に陥っていきます(このことは、もちろん職場でも同じです)

自分がやってよりと思えないときは、他の人はやってよいかどうか考えてみましょう。ほかの人がやってよいと思えることは。自分もやってよい可能性が高いのです。迷ったときは、自分の権利について確かめ、やってよいことには自信を持って自己表現をしていきましょう。

感情は何らかの形であなた自身の状態を教えてくれる信号で、あなた自身に変化を促している可能性があります。そのような感情は、必要に応じて表現することが大切でしょう。






 
アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)

平木 典子 講談社 2012-02-17
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