オバマ大統領やビル・ゲイツ氏、FBのザッカーバーグ氏も絶賛したという名著「サピエンス全史」

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福
ユヴァル・ノア・ハラリ
河出書房新社
2016-09-16


読んでみました!

これは年に1冊あるかないかの名著です。


「全史」というからには原始時代から現在までを書くのかと思いきや、未来まで書かれているんです。「未来まで」というのが大きなポイントです。


簡単にまとめると、サピエンスには3つの革命があり、現代の発展に繋がったといいます。

①認知革命(7万年前)
伝説や神話、神々、宗教は、認知革命に伴って初めて現れた。それまでも、「気をつけろ! ライオンだ!」と言える動物や人類種は多くいた。だがホモ・サピエンスは認知革命のおかげで、「ライオンはわが部族の守護霊だ」と言う能力を獲得した。虚構、すなわち架空の事物について語るこの能力こそが、サピエンスの言語の特徴として異彩を放っている。
ホモ・サピエンスは認知革命によって、虚構を共有することができた。宗教、国家、法律などは全て虚構だ。だが、これらの虚構は多くの人間が上手く共存するためには必要なものである。他の動物と違って、サピエンスは認知革命により繁栄した。


②農業革命(1万年前)
いくつかの動植物種の生命を操作することに、サピエンスがほぼすべての時間と労力を傾け始めた
ホモ・サピエンスは農業を始めた。これにより定住を余儀なくされた。ただ結果として、女性は子供を生みやすくなった。移動しなくてすむからだ。こうして人口は増えていく。


③科学革命(500年前)
科学革命が起こり、進歩という考え方が登場した。進歩という考え方は、もし私たちが己の無知を認めて研究に投資すれば、物事が改善しうるという見解の上に成り立っている。
ホモ・サピエンスは研究を始めた。資本主義との相性もよく、投資しては研究し、指数関数的に科学技術は発達。大変便利な世の中になった。


以上3つである。


こうしてホモ・サピエンスは地球上で一番力をもった生き物となった。


そしてサピエンスはこれからどこへ向かうのか

その答えは
「サピエンスは知的に設計されていく」
知的設計は以下の三つのどの形でも自然選択に取って代わりうる。すなわち、生物工学、サイボーグ工学(サイボーグとは、有機的器官と非有機的器官を組み合わせた生き物のこと)、非有機的生命工学だ。

・生物工学:遺伝子をいじることによる人間の改変
・サイボーグ工学:機械との融合
・非有機的生命工学:電子空間上に脳を取り込み



怖い話だが、上記3つは技術的にはほぼ可能になってきている。


そうすると近い将来「特異点」を迎える。
私たちは新たな特異点に急速に近づいているのかもしれない。その時点では、私、あなた、男性、女性、愛、憎しみといった、私たちの世界に意義を与えているもののいっさいが、意味を持たなくなる

サピエンスとは何か?人間とは何か?

知的に設計され、新しく生まれた生物は我々サピエンスと同じ存在といえるだろうか?
もし本当にサピエンスの歴史に幕が下りようとしているのだとしたら、その終末期の一世代に属する私たちは、最後にもう一つだけ疑問に答えるために時間を割くべきだろう。その疑問とは、私たちは何になりたいのか、だ。「人間強化問題」と呼ばれることもあるこの疑問は、現在、政治家や哲学者、学者、一般人がしきりに行なっているさまざまな議論とは桁違いに重要だ。なにしろ、今日の宗教やイデオロギー、国民、階級それぞれの間で戦わされる今日の議論は、ほぼ間違いなくホモ・サピエンスとともに消滅するのだから。
背筋がぞっとするような未来である。


著者のアドバイスは↓
唯一私たちに試みられるのは、科学が進もうとしている方向に影響を与えることだ

科学の発展は止められない。


私たちは子どもたちに「幸せな時代」をプレゼントすることができるのだろうか。

孫たちの世代は。


考え出すとなんだか怖くなってしまう。



価値観を揺さぶられる本です。


まだ書き切れてないこともいっぱいあります。

ぜひお読みください。



サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福
ユヴァル・ノア・ハラリ
河出書房新社
2016-09-16